
ヤマノススメ 第25巻を読みました。まずは帯にもあるとおり、累計100万部を突破したとのことで、とてもおめでたいことです。しろ先生の記念イラストのポストカードが挟まっていて、知らなかったので驚きましたがうれしかったです。
内容も登山はもちろんのこと、あおいをはじめとする各登場人物の成長や迷いが、丁寧に描かれており、翻って自分の人生を振り返ったり、見つめ直したりしてしまいます。現実的というか、なかなかシビアな日常の綴り方だなあと。
各話ごとに、しろ先生のコラムがあり、それも本作の魅力の1つです。読んでいると、しろ先生の人生観が垣間見えます。「人生の辛さ」というと言い過ぎかもしれませんが、「ままならなさ」みたいなものを感じます。
「登山の楽しさ」「キャラの可愛さ」だけ抽出しようと思えばできるだろうし、そうした作品もまたイイものですが、そうはしないところが、しろ先生の「らしさ」なのだろうな、と文章を読んで思いました。
本作の「可愛い」の最たる象徴だと思うここなでさえ、けっこうリアリティというか、キュートだけで済まされないバッググラウンドがあるので、本当に奥深い作品だと思います。
あおいやひなたといった、多彩なキャラたちの歩みを見ていると、「自分はこの年でここまで考えていただろうか…」と内省してしまいます。彼女たちが今後どんな山に登り、どんな進路を選ぶのか、楽しさとともにわずかな怖さを感じながら読み終えました。