しあわせ鳥見んぐ 第3巻

わらびもちきなこ 先生の「しあわせ鳥見んぐ」第3巻を読みました。この巻では、翼の以前からの友人であり、第1・2巻でもお嬢様キャラらしさを随所で発揮していたひなにスポットが当たります。

ひなの悩みは、その家柄のよさや本人の穏やかな性格もあって、なかなか他者には理解されない、共感を得にくいようでした。それでも、自分自身に向き合い、最後には一歩前に進むことができた彼女は、とても大きく成長したのだと思います。

今泉家に巣を作り育っていったツバメたちの巣立ちと、ひなの前進を重ね合わせて描く物語は、これまでの巻同様、すごく感動しますし、丁寧に綴られているなあと感じます。加えて、バードウォッチングのネタやダジャレなんかも、毎度充実していて、読んでいて本当におもしろみが多いです。

後半の方では、山形・宮城に跨る蔵王(ざおう)が舞台となります。非常に魅力的な場所に思いました。本作は、先生が在住の山形県をはじめとして、東北の素敵スポットを紹介してくれる面もあり、1度は行ってみたいなと感じます。

巻末では番外編でオーストリッチ展示圃に行くすずと翼が見られます。すずのアホの子っぷりに拍車がかかっていて、おもしろいと同時に少々心配にもなります笑。なんにしても、仲の良い2人を見ることができてよかったです。

次は順番的に、岬にフィーチャーした巻になるのでしょうか。今からとても楽しみです。