
連休を利用して、京都の伏見稲荷大社とその周辺を訪れた。
JR稲荷駅前

朝8時ごろにJR稲荷駅に到着して改札を出ると、すでにけっこう人がいた。駅前は交通量が多く、歩行者をお構いなしに走行する車もいたので、気をつけた方がよい。
大きな鳥居の前に、募金詐欺への注意喚起の立て看板や、静かに参拝するよう呼びかけた案内板があり、観光名所ならではの問題が起こっていることがわかる。
周辺を眺めてみると、コンビニや飲食店がいくつもあり、ちょっとした買い物や食事などには困らない。駅からのアクセスもよく、京都に不慣れでも訪れやすいスポットに思う。
楼門~本殿

各種メディアで、インバウンドやオーバーツーリズムについての報道を目にすることが多くなった。この日も、海外からの観光客が非常に多く、その実態を体感できた。

一部ではあるが、海外からの旅行者で、騒いだり突然走り出したりする人がいた。はっきり書いてしまえば、うるさかった。本来この場所にあるべきと思われる、静謐な雰囲気はあまりなかった。
ただ、そういう人たちがひっきりなしに来るおかげで、この地域の、大きく捉えれば日本の経済が潤っている、と考えることもできるわけで、難しい問題だと思う。
千本鳥居/おもかる石/竹屋 抹茶ブラウニー

本殿から歩いていき、有名な「千本鳥居」を抜ける。やはり「映えポイント」とあって、もっとも混み合っており、スマホで記念撮影する人ばかりだった。逆に撮る気がなくなってしまう。
テレビなどでよく取り上げられる「おもかる石」は、持ち上げた時に、自分の想像より石が軽ければ、願いが叶う…というもの。めちゃくちゃ重かった。

どんどん参道を進んでいくと、「熊鷹社」というところに「竹屋」というお店がある。そこで抹茶ブラウニーを食べた。なんでも、藤井聡太さんが王将戦で食べたのがこれとのこと。
稲荷山

いろいろな場所に参道マップがあり、確認しつつ、ひたすら稲荷山を登っていく。上へ行くにつれて、若干ではあるが人は少なくなっていく。展望のよい場所では、初夏の気持ちよさを感じられた。

ところどころで、「イノシシやサルに注意」という表示があった。登山道は整備されているが、そうはいっても山の中なので、あまりにも不用意な服装は避けたい。

その分、散策中の自然風景に見どころは多く、さわやかな気分も味わえる。草花も綺麗だった。下山時には、猫が心地よさそうに寝ていて和んだ。
春期 非公開文化財特別公開
楼門まで戻ると、「春期 京都非公開文化財特別公開」の立て看板があり、拝観料1,000円で普段は非公開の以下を見られるとのことだった(写真撮影は不可)。
- お茶屋
- 荷田春満旧宅
- 稲荷祭礼図屏風(初公開)
- 円山応挙筆「稲荷神祠図」(初公開)
せっかくなので拝観すると、ガイドの方がおられ、丁寧に説明してくださり、おもしろい話がいくつも聞けた。有料で、海外の方向けでもないからか、人はほとんどおらず、じっくりと観察できた。
年に2回ほど、伏見稲荷大社だけでなく、上賀茂神社や知恩院などで、こうした特別公開をしているようだ。とても貴重な機会に偶然来られてよかった。
道八 いなりうどん/ちいかわもぐもぐ本舗/周辺散策

昼食は「道八」という昔ながらの食堂でとった。お店の集中エリアとは少し離れており、落ち着いて食べられるのがよい。「いなりうどん」を注文。お揚げが厚くておいしかった。

食後、周辺を散策した。食べ歩きやお土産選びを楽しむ人で賑わう中で、1番人気だったのが「ちいかわもぐもぐ本舗 京都伏見店」。外観・内装も凝っていてかわいい。

他にも、興味を引く飲食店や雑貨屋が多数あったが、お昼前後の時間帯とあって、どこも混雑していたので、外から眺めるだけにした。飛び出し坊やのお稲荷さんバージョン?があって思わず撮った。
帰路

昼過ぎから朝よりもさらに観光客が増え、稲荷駅のホームにも人が溢れていたため、早めに帰路についた。JR京都駅に戻り、阪急河原町駅まで歩いた。
途中、東本願寺のあたりでアオサギがいた。なんだか画になる。

河原町駅周辺の歩道には、愛らしいイラストの標識?があった。自転車は押してください、ということだろうか。
めったに京都に来ることはないので、目にするものすべてが新鮮で楽しかった。一方で、海外観光客の振る舞いが気になることも多々あったが、それは私を含めた日本人にも恐らく言えることで、お互い様だろう。
文化財・動植物・人間…種々のものを見て、あれやこれやと感じた。これが旅行の効用だと思う。愉快なことばかりではないが、日常にはない風景と体験から得るものは大きいと再確認した。