
阪神タイガース・近本光司選手の僕は白と黒の間で生きている。を読みました。
近本選手の野球やプライベートなどに対する考え方を、「原液」に近い形で味わえる印象が強い本でした。「近本濃度」が濃い…とでも言いますか…。
もちろん、編集者の手も入ってはいると思うのですが、近本選手の思考・感情が、そのままフォローできるような文章が綴られています。
タイトルや帯コメントの通り、どちらかに決めつけないことの利点、あえてつくる自分の中の「揺らぎ」の効用に気づかされる内容でした。
「〇〇の教科書」といった正道を示す本が本屋に並び、AIで即座に正解が提示される今の世の中とは、まるっきり反対のスタンスの本…と決めつけるのも解釈違いかも。
わかりにくい本というわけでは、決してないのですが、かといって、わかりやすいわけでもない…そんな「一筋縄ではいかない」本で、そこがおもしろいです。
スポーツ新聞の記事で、近本選手は「哲学者」的なイメージがありましたが、やっぱりそうなんだなと。考えることが好きだし、自由で幅の広い思考の持ち主なのだなと。
印象深いのは、インプット→アプローチ→アウトプットというフローを、思考や行動の中で繰り返されている、という点。仮説思考と言い換えることもできるでしょう。
そういうフローは、ある意味「面倒くさい」ものだと思うのですが、それを近本選手は楽しみ、そして結果を出している。さすが、阪神タイガースのリードオフマンです。
決めつけない思考の自由度、データなどから仮説を立て検証し、厳しいプロ野球の世界で活躍し続ける…今さらですが凄い人ですし、いろいろと考えさせてもらえる本でした。