Kindle Unlimitedで、すべての罪悪感は無用ですを読んだ。
精神科医の斎藤学先生の過去の著書などから言葉を集め、それに解説が付けられたもので、箴言集のような本だ。構成は、斎藤先生の仕事仲間である木附千晶さんがされたということだ。
巻末の著者紹介によると、斎藤先生はアルコール依存症などの「依存症」という用語を提唱・定着させ、また「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた方だという。
本書の内容も、依存症やアダルト・チルドレンに関係するものが多く、それらの問題を抱えていたり、もっと漠然と「生きづらさ」を感じていたりする人にとって、とても参考になると思う。
第1~7章の章立てになっており、それぞれ「苦」や「愛」といったテーマが付けられている。各章はいくつかの斎藤先生の言葉とその解説で構成されており、個々に独立した文章になっている。
なので、最初から最後まで通して読む必要がなく、今の自分の気分や悩み、課題などにフィットしそうなところだけを読む、という使い方ができる本だと思う。
メンタルがしんどい時に、一続きの長文を追うのは、経験的にけっこう疲れてしまうものだ。気になった部分だけをかいつまんで読むだけでも、心によい作用をもたらすと感じる。
もちろん通読すれば、その効用は大きくなる。最後の言葉の題が「今までよりずっと楽で満ち足りた人生のために」とあった。そう、そういう人生が何よりも欲しいとうなずいた。