【読書記録】安楽死を遂げた日本人

ノンフィクション作家の宮下洋一さんの安楽死を遂げた日本人を読みました。

Amazon.co.jp: 安楽死を遂げた日本人 (小学館文庫) eBook : 宮下洋一: Kindleストア

難病を患う日本人女性が、スイスで安楽死を実現するまでの過程を綴った本です。

安楽死について考えるきっかけになる

これまで安楽死について考えたことは、ほとんどありませんでした。

少なくとも現時点における、自分や家族の年齢、取り巻く環境では、考える機会すらなかったでしょう。

この本を読むことは、安楽死というものを考えるきっかけになります。

安楽死は、ごく一部の人に限られたトピックではなく、社会全体で議論すべきものなのでしょう。

自分自身が、安楽死と向き合う立場になるかもしれません。

1度でも考えを深めておくことは、決して無駄ではなく、むしろ必須にも思えました。

ノンフィクションやドキュメンタリーとの向き合い方

本書を読んでいると、ノンフィクションやドキュメンタリーとの向き合い方についても、かなり考えさせられます。

取材する側とされる側との関係性や、その変化が全体にどう影響していくか。

そして、両者の相互作用を経て完成した作品を、受け手はどう咀嚼するか。

取材者はあくまで第3者であり、その存在が取材対象に積極的に影響することは、好ましくないと思えます。

しかし、現実はそう単純ではなく、人間どうしのやりとりなのだから、影響を及ぼし合うことは少なからずあることでしょう。

本作を読むと、そういったノンフィクションやドキュメンタリーとの付き合い方についても、受け取る側として再考したくなります。

常に「死」を意識する

日頃から、常に「死」を意識して生きていますが、本書を読んだ後は、そのマインドが一層強くなった気がします。

自分や家族の「死」はもちろん、他人の死とそれを取り巻く社会環境など、考えたい・考えなければならないことは多くあります。

誰がいつどこで、どんなふうに死ぬのか、当然コントロールできないですから、思考するだけ無駄になる可能性の方が大きいのですが。

とはいえ、それでも「死」を見据えて生きることは、大事ではないかと感じました。

読んでいて気分が落ち込むことも多々あった本ですが、間違いなく読んでよかったと思います。